厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」の推移を振り返ると、理学療法士(作業療法士等を含む)の平均年収は約430万円(平均年齢35歳前後、手取り月給約25万〜28万円、年間賞与約80万円〜90万円)で長年横ばい傾向が続いている。30代後半から40代を迎えても、基本給のベースアップは微々たるものであり、一般的なサラリーマンのような急激な年収カーブを描くことは極めて稀である。
日本理学療法士協会の会員データおよび厚生労働省の推計によると、理学療法士の有資格者数は2026年現在で20万人を優に突破しており、毎年約1万人規模の国家試験合格者が労働市場へと流入し続けている。需要に対する供給の飽和状態が現実味を帯びるなか、病院側がセラピストの待遇を大幅に引き上げるインセンティブは著しく低下している。
業界全体の年収分布とポジションごとの上限目安を比較すると、以下の実態が浮き彫りになる。
統計上、理学療法士資格保有者全体の中で年収1000万円を超える割合は推定0.5%以下とされ、その内訳を見ても一般雇用されているスタッフは皆無に等しい。大台に到達している層は、例外なく「労働力の提供者」から「事業の所有者・統轄者」へとポジションをシフトさせた面々である。