閉館直前の現在、東京蒲田文化会館の周辺はどのような空気に包まれているのでしょうか。現地を訪れると、外壁には今なお「テアトル蒲田」「蒲田宝塚」と記されたレトロな看板が掲げられており、かつてここで無数の観客が一喜一憂した栄光の面影をとどめています。
地域住民や利用者の声をSNSやネット上の口コミから検証すると、多様な実感が浮かび上がってきます。
「ハナマサの深夜営業には長年助けられていた。飲食店の仕込みにも一般家庭にも重宝されていたので、なくなると本当に困る」(40代・近隣飲食店主)
「子どもの頃、親に連れられて蒲田宝塚で東宝チャンピオンまつりを見た思い出のビル。映画館がなくなった時も寂しかったが、ビルそのものが消えるのは胸に迫るものがある」(50代・地元在住者)
「昭和の香りが色濃く残る階段やタイルの質感がたまらなかった。西口の風景がガラリと変わってしまうのは惜しい」(30代・建築ファン)
このように、単なる商業ビルの閉館という枠を超え、「自分たちの青春や生活の一部が消える喪失感」として捉えられている点が、このビルに対する評判と口コミの大きな特徴です。建物の老朽化が進み、エスカレーターや設備の各所に経年劣化が見受けられるものの、それがかえって昭和の息吹を色濃く残す空間として愛されていました。