社会学者アーリー・ホックシールドが提唱した「感情労働」の概念が示す通り、看護職は肉体労働や頭脳労働であると同時に、自らの感情を抑制・調整し続ける過酷な感情労働です。この感情労働の現場で生き残り、充実したキャリアを築くための判断基準を提示します。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
【迷わず進むべき人】
・知的好奇心が旺盛で、医療技術やケアの進歩を学ぶことに苦痛を感じない人
・「仕事は仕事、プライベートは別」と割り切り、休日を完全に自分の時間に使える人
・感情的に理不尽な物言いをされても、「相手は病気で余裕がないのだ」と客観的に事象を分析できる人
【現環境での継続に慎重になるべき人】
・患者の死や苦痛を数週間にわたって引きずり、日常生活に支障をきたしてしまう人
・職場内の人間関係の悪化をすべて「自分の努力不足」と結びつけて自責を深める人
・「ミスをしてはいけない」という恐怖心から、確認行為が止まらなくなり強迫的な状態に陥っている人
もし後者に該当する場合であっても、看護師免許そのものを手放す必要はありません。看護師に向いてる人の現在とキャリアパスは、近年の地域移行や予防医療の推進によって劇的に多様化しています。秒単位の判断を迫られる急性期病棟が合わなくても、患者と長期的に向き合える回復期リハビリ病棟や訪問看護ステーションでは最高の適性を発揮できるケースが山のようにあります。また、病棟の夜勤や人間関係に疲弊した人が、健診センターや企業の健康管理室(産業保健)、あるいは美容クリニックへとシフトし、定時退社とワークライフバランスを手に入れる道も確立されています。