村田製作所の屋台骨であるMLCCの需要動向は、今まさに大きな変革期を迎えています。かつて同社の業績を大きく左右していたスマートフォン向け市場に加え、現在は「AIインフラ」と「モビリティ」の2大潮流が新たな牽引役となっています。
生成AIの爆発的普及に伴う次世代AIサーバーには、一般的なサーバーの数倍から十数倍におよぶ超小型・大容量MLCCが搭載されます。高熱や高負荷に耐えうる最先端コンデンサを安定供給できるメーカーは世界でも極めて限られており、村田製作所の技術的アドバンテージが遺憾なく発揮される領域です。
さらに、自動車業界におけるADAS(先進運転支援システム)の標準化やEV化の進展により、車載向け電子部品の搭載数は右肩上がりで増加しています。車載用部品には人命に関わる過酷な環境下での高い信頼性が求められるため、参入障壁が非常に高く、同社の高付加価値製品が利益率を力強く支える構造が確立されています。