完璧に見える残火の太刀にも、明確な弱点と代償が存在します。第1の弱点は、「自壊と環境破壊のリスク」です。1500万度という霊圧はあまりに規格外であり、発動を続ければ敵を倒す前に尸魂界の水分と大気、そして仲間たちをも滅ぼしてしまいます。そのため、短期決戦を強いられるという時間的制約が常に付きまといます。
第2の弱点は、山本元柳斎重國自身の「精神的な変化」です。ユーハバッハは総隊長を特記戦力から除外した理由として、「千年前の冷酷さを失い、背負うものが増えて軟弱になった」点を挙げています。かつては仲間を灰燼の餌食にしてでも敵を屠った怪物が、部下を慈しみ、人間を巻き込むまいと躊躇した心の隙こそが、最大の弱点となって隙を生み出しました。
技術面でも、刀身から放たれる熱量が自身の霊力と体力を激しく削るため、万が一にも決定打を外したり相手が身代わりであったりした場合、再起不能に近い消耗を強いられる点も大きなリスクでした。