伊勢神宮の内宮・荒祭宮(あらまつりのみや)に祀られる天照大御神の荒御魂(あらみたま)こそが、彼女の本性であるとする説は根強く存在する。荒御魂とは、神の動的で猛々しい側面、すなわち自然の荒ぶるエネルギーそのものを意味する。
また、弁財天や市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)、瀧織姫といった民間の水神伝承とも複雑に交差している。全国に千以上点在するとされるゆかりの神社をマッピングすると、単一の神格というよりも、水脈全体を覆う巨大な信仰ネットワークの結節点として機能していた実態が見えてくる。信仰のレイヤー構造を解明することは、日本人の基層信仰を紐解くキーパーソンを追うことに他ならない。