1983年の開館以来、長野県の芸術文化を牽引してきたこの施設。しかし、40年以上が経過し、舞台設備の陳腐化やバリアフリーへの対応が課題となっていた。今回の改修プロジェクトでは、単に古いものを新しくするのではなく、クラシックコンサートから現代アートの展示まで、あらゆる表現に対応できる「マルチハイブリッド仕様」へのアップグレードが図られた。
特に大ホールの音響特性は劇的に向上した。設計担当者は「まるで楽器の中にいるような臨場感を目指した」と語る。実際にテスト演奏を行った地元オーケストラの指揮者は、その響きの変化に驚きを隠さない。音が濁らず、ピアニッシモ(極めて弱い音)の繊細なニュアンスまで客席の隅々に届くようになったという。