スーパーの売り場を見渡すと、「あく抜き不要」「水洗いだけで使える」と明記された商品が全体の4割以上を占めています。消費者の間では「すべて下ゆでする必要がなくなったのではないか」という認識が広まりつつありますが、ここには製造工程上の見落としがちな事実があります。
こんにゃく下ゆで不要見分け方の基準は、原材料表示とパッケージの製法説明にあります。あく抜き不要タイプは、精製度の高い「こんにゃく粉(精粉)」を使用し、製造段階で徹底的にアルカリを洗浄・中和処理しているため、開封時の臭気強度は従来品の3分の1以下に抑えられています。
しかし、アク抜き不要のこんにゃくであっても「袋の中の保存水(充填水)」には微量の臭気成分が溶け出しています。そのため、たとえ下ゆでを省略する場合でも、ザルに開けて流水でしっかり揉み洗いすることが最低限の必須条件です。また、脱水による弾力強化や味染み向上という物理的恩恵は熱処理なしでは得られないため、煮物こんにゃく下処理においては、アク抜き不要品であっても1分程度の湯通しを行うことが推奨されます。