一部のメディアや俗説で「関西では味噌汁を左奥に置くのが普通」と語られることがあります。この言説の真偽を取材・検証すると、興味深い食文化の背景が浮かび上がります。
結論から申し上げると、伝統的な本膳料理や格式ある会席料理においては、関西・関東を問わず「手前左にご飯、手前右に汁物」が共通の正道です。東西で正式な儀礼配膳に差異はありません。
しかし、大衆食堂や日常の家庭料理においては、関西圏を中心に「手前左にご飯、手前右におかず(メイン)、左奥に味噌汁」という配置が散見されます。この背景には、関西の合理主義的な食文化があります。「温かいメインのおかずを右手で素早く口に運びたい」「手前にメインがあったほうが食べやすい」という実利的な動機から、日常食のレベルで配置が変化したと分析されています。公の席では全国共通の基本ルールが求められますが、庶民の日常食においては地域独自の使い勝手が優先されてきた好例と言えます。