1990年代半ば、フジテレビの「月9」枠はまさに黄金期を迎えていた。その頂点として君臨するのが本作である。ラブストーリーの神様と称される北川悦吏子の描く脚本は、洗練された会話劇の中に人間味のある弱さや愛らしさを同居させた。
年下の売れないピアニストと、婚約者に逃げられた年上のモデル。一見すると突飛な同居生活のセッティングでありながら、視聴者が「自分たちの物語」として感情移入できたのは、登場人物たちのセリフ一つひとつに嘘がなかったからだ。
単なる胸キュンにとどまらず、「上手くいかない時は神様がくれたお休みだと思おう」という前向きなメッセージは、現代社会を生きる私たちの心にも深く響き続けている。