1997年、世間の猛烈な逆風を突いてニューヨーク・ヤンキースへの入団を果たした伊良部秀輝。しかし、日米のメディアが連日彼の動向をセンセーショナルに報じる中、渡米後の暮らしは決して華やかなものばかりではなかった。言葉の壁、文化の相違、そしてファンや地元紙からの容赦ない批判。絶え間ないプレッシャーに晒される夫を、家庭内で静かに支え続けたのが京子夫人である。
渡米初期のニューヨークでの生活は、緊張の連続だった。「クラゲ」と酷評された厳しいメディアのバッシングに傷つく夫の傍らで、彼女は家庭という安全地帯を守り抜こうと必死だった。日本プロ野球(NPB)時代から続くマスコミとの不協和音は海を渡っても消えず、波乱に満ちた結婚生活の中での苦悩は推し量るに余りある。