90年代初頭のバブル崩壊直後という社会状況を背景に、野島伸司が提示したテーマは実に重厚だった。夢と現実の乖離、組織の不正、愛の不条理。それまでの華やかさを前面に押し出したトレンディドラマとは一線を画し、人間の泥臭い本音と痛みを容赦なく抉り出すスタイルは、テレビドラマの新時代を切り拓いた。
「愛とは何か」「生きるとは何か」という根源的な問いかけは、時代が移り変わっても決して古びることがない。だからこそ、放送から30年以上が経過した今なお、世代を超えて新たな視聴者の胸を打ち続けているのだ。作中で描かれた葛藤は、多様化と不確実性の時代を生きる現代の若者にとっても、決して他人事ではない生々しさを放っている。