言葉としての「キラキラネーム」という表現自体は、2010年前後にネットスラングから一般の報道へと浸透していったものだ。しかし、現象の起源をたどると、その波紋は1990年代半ばにまでさかのぼる。
昭和の時代における命名といえば、長男には「太郎」、女子には「子」を付すような伝統的かつ安定した読みが主流であった。ところが1990年代に入ると、子供に個性を与えたいという親の心理が急激に強まる。「他者とかぶらない特別な名前」への希求は、漢字の一般的な音訓を無視し、外国風の響きや当て字を優先する新しい命名スタイルを生み出した。
この潮流は年を追うごとに過熱し、社会問題として認識されるに至った。そして2026年6月、法制度の大きな転換点として戸籍法改正が施行される。従来の戸籍では漢字の「読み方(ふりがな)」に法的な制限がほとんど存在しなかったが、法改正によって「一般に認められている読み」という明示的な基準が導入されたのだ。1990年代の自由奔放な誕生期から、法的なルールに基づく受容期へと、日本の命名文化は大きな変化を遂げている。