製菓分野におけるクランブルの意味は、英語の動詞「crumble(粉々に砕く、ぽろぽろ崩れる)」に由来します。その名が示す通り、小麦粉・バター・砂糖を指先ですり合わせ、小さなそぼろ状(クラム状)にして焼き上げるトッピングおよび焼き菓子全般を指します。
クランブルの歴史はイギリス発祥洋菓子としてのルーツを持っています。第二次世界大戦下のイギリスでは、食糧統制によりパイ生地に不可欠な油脂や小麦粉が厳しく配給制限されていました。限られた配給枠の中で、パイ生地のように時間をかけて折り込む技術や大量のバターを使わずに、果物の上に少量の粉と油脂を混ぜたそぼろを乗せて焼いたのが始まりです。
戦時の節約料理として誕生したクランブルですが、果汁を吸ったしっとり部分と、表面の香ばしいザクザク感という絶妙な食感の対比が評価され、戦後もイギリスの家庭料理およびパブデザートの定番として定着しました。現代ではトッピング単体としてマフィンやチーズケーキ、タルトなど多種多様な焼き菓子に応用されています。