脳科学者の中野信子氏は、人間の脳が成長・成熟する過程で、無駄な人間関係を整理しようとする生存戦略の働きを指摘している。若い頃の脳は承認欲求や所属欲求を満たすために広範なネットワークを求めるが、40代を超えると感情制御やリスク回避を優先するよう変化する。エネルギーの無駄遣いを避ける脳の適応メカニズムが、自ずと「浅い付き合い」を淘汰していくわけだ。
また、厚生労働省が公表している社会生活意識調査の分析を見ても、40代は男女問わず「個人的な自由時間」の満足度が人生の幸福度に直結しやすい傾向が示されている。心理学の知見においては、この時期の友情の減少は「選択的社交」と呼ばれる現象だ。自分の価値観や倫理観に合わない相手と一緒にいるくらいなら、最初から一人で過ごすことを選択する成熟した判断力の結果であり、決して孤立や人間性の欠陥を意味するものではない。