チルド室の「チルド(chilled)」とは、英語で「冷却された・冷やされた」を意味する言葉です。食品分野におけるチルド保存とは、食品が凍結しない限界ギリギリの温度帯(約0℃〜2℃)で冷やす保存方法を指します。
水が氷に変わる温度は0℃ですが、肉や魚、加工食品には塩分やアミノ酸などの成分が含まれているため、0℃になってもすぐには凍りません。この「凍る直前」の低温状態を一定に保つことで、食品内の水分を凍らせることなく、雑菌の繁殖や酵素の働きを強力に抑え込めるのがチルド室の大きな特徴です。
冷凍保存と比べた場合のチルド保存のメリットは、食品の細胞組織を破壊しない点にあります。冷凍時に発生する氷の結晶によって細胞が壊れないため、解凍時に旨味成分を含む水分(ドリップ)が流れ出ません。さらに、解凍する手間をかけず、取り出してすぐに包丁を入れて調理できる手軽さも魅力です。