2000年代初頭から映画『DRUG』などで本格的なスクリーンデビューを果たした真木よう子ですが、彼女の圧倒的な美貌と演技力が全国区で知れ渡る決定打となったのが、2005年公開の井筒和幸監督映画『パッチギ!』でした。
同作で彼女が演じたのは、主人公の兄(高岡蒼佑)の恋人である在日朝鮮人女性、カン・ガンジャ役。凛とした意志の強さを宿した切れ長の瞳、昭和の空気を纏ったエキゾチックな佇まい、そして時折見せる艶やかな表情は、当時の映画ファンや業界関係者に強烈なインパクトを与えました。スクリーンに映る彼女の姿に「あの美人すぎる女優は一体誰だ?」と問い合わせが殺到したほどです。
勢いに乗る彼女のビジュアルの完成度を世に見せつけたのが、2007年に刊行された写真集『月刊真木よう子』(撮影:藤代冥砂)です。当時、グラビア界やカルチャー誌で一大ブームを巻き起こしていた「月刊シリーズ」の中でも屈指の売上を記録。豊満なプロポーションと研ぎ澄まされたフェイスライン、憂いを帯びた表情が織りなすアート性の高い官能美は、男性ファンのみならず多くの女性層からも「同性が憧れる究極の美」として熱狂的な支持を集めました。
そして同年末、彼女のキャリアにおいて金字塔となるフジテレビ系ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』がスタートします。岡田准一演じる主人公らとともに要人を警護する女性SP・笹本絵里役を熱演。トレードマークとなったシャープな黒髪ショートヘア、男顔負けの鋭い回し蹴りや本格的な格闘アクション、そして無駄な感情を表に出さないクールなキャラクター設定が見事にハマり、平均視聴率15.4%を記録する大ヒットとなりました。この『SP』によって、「真木よう子=クールで強く、美しい孤高のヒロイン」という絶対的なパブリックイメージが確立されたのです。