主人公の脳外科医・南方仁を演じた大沢たかおの圧倒的なリアリティと、江戸の武家娘・橘咲を演じた綾瀬はるかの凛とした佇まい。二人の間に流れる繊細な空気感こそが、本作を単なる娯楽作から至高の人間ドラマへと昇華させた要素にほかならない。
本来、医療ドラマが持つ密室の緊張感と、時代劇ドラマが内包する歴史のダイナミズムは、一歩間違えれば反発し合うリスクを秘めている。しかし、ペニシリンの精製や感染症との戦いといったリアルな医療行為を通じて、二人の絆は丁寧に紡がれていった。大沢たかおが見せる苦悩の表情と、綾瀬はるかが放つ無償の愛。その交錯が視聴者の胸を激しく揺さぶる。