「自転車は免許証が不要だから、多少のルール違反は大目に見てくれる」という認識は、完全に過去の遺物となりました。道路交通法第17条第4項および第18条第1項において、車両は道路の左側を通行しなければならないと定められており、軽車両である自転車も例外ではありません。車道の右側を通行する「逆走」は、立派な通行区分違反に該当します。
警察庁が公表した指導取り締まりの統計資料によると、自転車関連事故の約7割に何らかの交通違反が確認されており、その中でも「通行区分違反(右側通行・逆走)」は正面衝突など致命的な事故を引き起こす主因として極めて危険視されています。従来の罰則規定では「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」という重い刑事罰が定められていたものの、起訴猶予や指導警告(いわゆる赤切符の乱発回避)にとどまるケースが散見されました。しかし、2026年の法改正を経て本格移行した2026年現在の運用では、実務の現場が劇的に変貌しています。
それが、16歳以上の運転者を対象とした「青切符制度(反則金制度)」の本格適用です。一時不停止やスマートフォンを手持ち通話・注視する「ながら運転」と並び、車道や路側帯の逆走は重点取締対象に指定されています。反則金の標準額はおおむね5,000円から6,000円前後に設定されており、現場で警察官に呼び止められれば、言い訳無用で納付書が交付される仕組みです。これに応じなければ刑事手続きに移行するため、「自転車だから注意だけで終わる」という甘い見通しは通用しません。