一部の育児論やネット上の掲示板では、「幼稚園に行きたがらないのは親が家で甘やかしているからだ」「厳しく突き放して自立させないといけない」といった言説が散見されます。しかし、現代の発達心理学において、これらの主張は明確な誤解と断定されています。
子どもの健全な自立は、厳しさや早期の突き放しによって形成されるものではありません。心理学者ジョン・ボウルビィが提唱した「愛着理論」が示す通り、「いつでも無条件に受け止めてもらえる」という強い安心感(アタッチメント)を土台にして初めて、子どもは外の世界へと自発的に踏み出す勇気を獲得します。
「ママといたい」と泣く子どもは、依存心が異常に強いのではなく、外界へ適応するためのエネルギーを家庭でしっかりと充電しようとしている健全なサインです。むしろ、不安を抱えている時に無理に突き放したり「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なのに恥ずかしい」と感情を否定したりすると、子どもは心理的安全性を失い、余計に親への執着を強めてしまう逆効果を招きます。