メイシー氏がSNSで有名になるにつれ、必ず付きまとったのが「フェイク疑惑」でした。なぜこれほどまでに画像加工疑惑の検証が過熱したのでしょうか。その発端には、2019年頃からTikTokやInstagramのリール動画で大流行した「過剰な美脚フィルター」の存在があります。
当時、アジア圏の動画共有アプリを中心に、画面内の人物の脚だけを不自然なまでに長く引き伸ばすフィルター加工が爆発的に拡散されました。電柱や背景のドアが不自然に歪む動画を見慣れていたネットユーザーたちは、メイシー氏が投稿した動画に対しても「広角レンズ特有のパース歪みを利用している」「アプリで縦方向に引き伸ばした合成動画に違いない」と決めつけ、激しい疑念の目を向けたのです。
しかし、この疑惑はギネス公式の極めて厳格な測定プロセスによって完全に論破されています。ギネス・ワールド・レコーズの計測規則では、自己申告や一般的な巻き尺による測定は一切認められません。資格を持つ独立した医師および計測技師の立ち会いのもと、直立姿勢および仰臥位(仰向け)の両方で骨盤の転子骨から足底までの長さがミリ単位で計測されます。加工が入り込む余地のない公的環境で記録された公式証明書が公開されたことで、ネット上の「CG疑惑」は沈静化へと向かいました。
本人は後のインタビューで当時の心境をこう吐露しています。「動画をアップするたびに『エイリアンだ』『編集ソフトの使い手だな』と書き込まれた。最初は傷ついたけれど、自分の身体が現実の枠組みを超えている証拠なのだと受け止めるようにした」。画面越しに伝わる違和感は、加工による偽装ではなく、現実がデジタルの誇張表現を追い越してしまったことによる認知のバグだったと言えます。