ネット上の美容記事やSNSで流布している言説のなかには、現場の実態と乖離した危険な誤解がいくつか存在します。その代表例が「7トーンなら地毛と変わらないから黒染め履歴があってもバレない」という言説です。
過去に黒染め(白髪染めや就活用の濃厚な黒染料)を施した髪の上に7トーンの薬剤を塗布した場合、根元の新生毛だけが7トーンまで脱色され、黒染め染料が残留している中間から毛先は沈んだ暗いままになる「逆プリン現象」が発生します。この明暗のムラは、均一な明るさ以上に不潔・不自然な印象を与えてしまいます。
また、「ブリーチなしダブルカラーなら7トーンでも透明感が無限に出る」という過剰な広告宣伝にも注意が必要です。ブリーチを使わない場合でも、一度ベースのトーンを明るく持ち上げてから色味を被せる手法をとれば、その分だけ褪色後の明度は確実に跳ね上がります。「絶対に職場で注意されたくない」という防衛ラインを保つためには、ベースを明るくしすぎないシングルプロセスでの微細な色味調合を美容師にオーダーするのが定石です。