両者の歴史的な前後関係を整理すると、先に誕生したのはガラモンであり、そのスーツ(着ぐるみ)を改造・再利用して生まれたのがピグモンです。
ガラモンの独創的な外見は、伝説的な美術監督・成田亨氏のデザインと、怪獣造形の第一人者・高山良策氏の手によって具現化されました。成田氏はガラモンの造形において、従来の怪獣造形にあった「恐竜やトカゲの延長」という既成概念を打破するため、海のイソギンチャクやサンゴ、脳のシナプス構造、そして幼児の体型バランスを巧みに融合させました。不気味でありながらどこかユーモラスで愛らしいこの造形美は、当時の視聴者に強烈なインパクトを与えました。
その後、新番組『ウルトラマン』の制作現場では、極めてタイトな撮影スケジュールと限られた美術予算の中で、毎週新たな怪獣を生み出す必要に迫られていました。そこで『ウルトラQ』の撮影終了後に保管されていたガラモンのスーツに着目し、頭部や体表に新たなヒレを追加し、首周りを調整して新怪獣「ピグモン」へと生まれ変わらせるスーツ流用が決断されたのです。
特筆すべきは、その後の複雑な流用ルートです。『ウルトラマン』第8話でピグモンとして使用されたスーツは、後に『ウルトラQ』の劇場公開や追加撮影、さらに『ウルトラマン』第37話「小さな英雄」でのピグモン再登場(再生ピグモン)に向けて幾度も補修・再改造が重ねられました。過酷な撮影現場を生き抜いた職人たちの知恵と技術が、二大人気キャラクターを同時に生み出す原動力となった歴史的背景が存在します。