緊迫した空気のなかで行われた女子フリーは、まさにフィギュアスケートの醍醐味が凝縮されたドラマとなりました。SP首位の選手にミスが出る波乱の幕開けとなるなか、氷上に登場した坂本花織選手は、冒頭のダブルアクセルからスピードに乗った滑走を披露。ダイナミックなジャンプを次々と着氷させ、演技後半のコンビネーションジャンプも完璧にまとめ上げました。
キス・アンド・クライでスコアボードに表示された女子シングル総合得点は、自身の持つシーズンベストに迫るハイスコア。SPでの僅差を鮮やかに覆す逆転優勝の理由は、技術点(TES)の取りこぼしを極限までゼロに抑え、プログラムコンポーネンツ(PCS・演技構成点)でジャッジ全員から高評価を引き出した点にあります。
報道各社の取材に応じた坂本選手は「ショートが終わった段階では悔しさもありましたが、フリーは自分のスケートを信じて滑り切るだけでした。観客の皆さんの手拍子が背中を押してくれました」と晴れやかな表情で語り、精神的なタフネスを見せつけました。