セカオワ『ドラゴンナイト』歌詞の真実|敵と踊る理由と深層メッセージ

セカオワ『ドラゴンナイト』歌詞の真実|敵と踊る理由と深層メッセージ

セカオワ『ドラゴンナイト』歌詞の真実|敵と踊る理由と深層メッセージに関する専門家の意見を分かりやすく解説いたします。

音楽番組やライブパフォーマンスで誰もが目を見張ったのが、Fukaseが右手に握りしめていた「ヴィンテージ風のトランシーバー型マイク」でした。通常、ボーカリストが選択する高音質ワイヤレスマイクとは対極にある、武骨でレトロな通信機器。この演出には極めて明快な物語的必然性が存在します。

トランシーバーは本来、軍隊や災害現場など「極限状態における遠隔通信」に用いられる道具です。同時に、周波数が合わなければ激しいノイズに阻まれ、相手が送信ボタンを押している間はこちらの声が届かないという「不完全な通信機器」の象徴でもあります。

Fukaseがトランシーバー越しに声を響かせる姿は、「激しい銃声と憎悪に満ちた戦場の中で、敵陣営の周波数に必死にチャンネルを合わせ、停戦のメッセージを送り続けようとする通信兵」のメタファーに他なりません。クリアな美声ではなく、あえてエフェクト処理を施した歪みのある電子声(オートチューン)で歌う演出も、分断された壁を越えて届く「ノイズ混じりの微弱な電波」を体現した高度な音響演出でした。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。