多くの人が「沖縄に古くから伝わる伝統民謡」と思いがちですが、『ダイナミック琉球』は2008年に制作された比較的新しい楽曲です。その誕生には、沖縄の文化復興を担う二人の天才の出会いがありました。
作詞:平田大一氏と現代版組踊の精神
作詞を手掛けた平田大一氏は、沖縄県小浜島出身の詩人・演出家であり、沖縄県文化振興会理事長などを歴任した文化運動の旗手です。平田氏は沖縄の若者たちが伝統文化に誇りを持てるよう、琉球古典演劇を現代風にアレンジした舞台「現代版組踊『肝高の阿麻和利(きむたかのあまわり)』」などを成功させてきました。『ダイナミック琉球』もまた、現代を生きる若者たちを鼓舞する舞台音楽として構想されました。
作曲・歌唱:イクマあきら氏のハイブリッド・サウンド
作曲とオリジナルの歌唱を担当したのは、名プロデューサーでありシンガーソングライターのイクマあきら氏です。1990年代に「E-ZEE BAND」のフロントマンとしてファンクやロック界を牽引したイクマ氏は、沖縄移住後に現地の伝統音楽と最新のダンスビート、ロックを融合させた「ハイパー・エイサー・ミュージック」を確立。『ダイナミック琉球』はその最高到達点として2008年にリリースされました。
成底ゆう子氏のカバーによるエモーショナルな拡散
2011年、石垣島出身の実力派シンガーソングライター・成底ゆう子氏がアルバムでカバーし、2018年にはシングルとして再リリース。武蔵野音楽大学声楽科で培った圧倒的な歌唱力と、島人(しまんちゅ)ならではの哀愁を帯びたビブラートは楽曲に新たな魂を吹き込みました。成底版のリリースは、全国の吹奏楽部や高校野球指導者の耳に留まる決定打となりました。