炊飯器の性能が年々進化しているにもかかわらず、「炊き上がりにムラがある」と悩む人が後を絶ちません。米穀店や調理専門学校の指導現場において、初心者が最もやりがちな計量ミスが「計量カップを米袋に突っ込み、縁をトントンと叩いて隙間を詰めてしまうこと」です。
カップを振ったり叩いたり(タッピング)すると、カップ内の米粒が圧縮されて密度が上がり、1合あたり5〜10g以上余分に入ってしまいます。これが「説明書通りの水加減にしたのに硬くてパサつく」最大の原因です。正しいすりきりの手順は以下の通りです。
- ステップ1:米びつや米袋に計量カップを沈め、山盛りにすくい上げる(この時、決してカップを揺すったり机にトントンと打ち付けたりしない)。
- ステップ2:箸や計量スプーンの柄、すりきり棒など、直線状の平らな棒をカップの縁に沿わせる。
- ステップ3:外側へ向けて余分なお米を一気に払い落とし、カップの上面と水平フラットな状態を作る。
また、炊飯器の目盛りの合わせ方にも見逃せない落とし穴があります。内釜を斜めの場所やすり鉢状のシンク内に置いたまま水を入れると、左右で目盛りに数ミリのズレが生じます。必ず「完全に水平なキッチンのワークトップ」に内釜を置き、目線を水面の高さまで下げて、水面のメニスカス(表面張力で盛り上がった縁ではなく中央の平らな面)を目盛りの中心線に合わせるのが鉄則です。