保護者や受験生の間で最も関心を集めるのが、中学1・2年次で必修となっている「園芸」の授業と、中学1年次に行われる「3日ごとの席替え」という独自システムです。一見すると受験勉強とは無縁に見えるこれらの取り組みにこそ、鷗友メソッドの神髄が隠されています。
敷地内の広大な実習園地で行われる園芸授業では、生徒一人ひとりに区画が割り当てられ、土づくりから種まき、間引き、収穫、さらには栽培日誌の記録までを自らの手でやり遂げます。「野菜づくりは思い通りにいかないことの連続。天候の変化や虫の発生に対処する中で、観察眼と忍耐力、科学的な仮説検証のサイクルが自然と身につく」と教員陣は語ります。土に触れ、作物の生命力を実感する泥臭い体験が、後の理科教育や環境問題への深い関心へと接続されていきます。
もう一つの名物である「席替え」は、入学直後の中学1年生を対象に、年間を通じて短い周期(伝統的に3日程度)で座席をローテーションさせる仕掛けです。特定のグループが固定化して排他的なスクールカーストが形成されるのを防ぎ、クラス全員と無理なく自然に言葉を交わす環境が整えられます。口コミや保護者の声でも「人見知りだった娘が、誰とでも物怖じせずに対話できるようになった」「クラス全員とペアワークを経験するため、陰湿なグループ対立が起きにくい」と極めて高い評価を得ています。
秋に開催される文化祭「かもめ祭」では、生徒が企画・運営の全権を担い、来場者を迎えるための緻密なオペレーションを展開します。機能的で清潔感のある制服を身にまとい、ハツラツと生き生きと行動する生徒たちの姿は、同校の心理的安全性の高さを如実に物語っています。