法多山尊永寺を語る上で欠かせないのが、参拝者のほぼ全員が買い求める名物「厄除け団子」の存在です。木箱に美しく並べられた団子は、5本の細い竹串にひとまとめに刺され、その上に上品なこし餡がたっぷりと乗せられています。
この五本串の形状には深い意味があります。江戸時代中期の享保年間、幕府第8代将軍・徳川吉宗公の治世において、宿場町にちなんで考案されたこの団子は、五体(頭・首・胴・手・足)を模しています。5本の団子を一口で食べる、あるいは五本をまとめてちぎり分けることで「身体全体の厄を祓い清める」という祈念が込められているのです。第13代将軍・家定公からは「くし団子」の名を賜り、以来、遠州の名物として広く知れ渡ることになりました。
一方で、近年メディアやSNSを賑わせているのが期間限定厄除け団子の存在です。中でも有名な「お茶だんご」は、毎月設定される特定のご縁日(茶湯日)にのみ限定販売される激レア商品です。地元袋井市特産のお茶を贅沢に練り込んだ団子は、爽やかな苦味と小豆餡の調和が絶品ですが、販売日は午前中から長蛇の列ができ、昼前後には完売の札が出ます。
さらに秋の収穫期に数日間だけ登場する「栗だんご」は、入手難易度が跳ね上がります。早朝から整理券を求めて数百人が列をなし、配布開始から瞬く間に当日の規定枚数に達することもしばしばです。ネット上では「転売されているのではないか」「何時に並べば確実に手に入るのか」といった憶測が飛び交いますが、現地関係者の証言によると、当日手作りの出来立てを提供することに固執しているため製造数に限界があるのが真相です。限定品を狙う場合は、寺院の公式告知を事前精査し、平日の早朝から動く覚悟が求められます。