近年のサッカー論調において、「若くして欧州クラブの下部組織にいる選手こそが正義」とする一種の偏重主義がネット上で散見されます。しかし、U-17年代における実態を丹念に追っていくと、その見解には大きな盲点が存在します。
FIFAの移籍条項(18歳未満の国際移籍制限)をクリアして欧州に渡っている若手は、親の仕事の都合や二重国籍など特殊な環境にあるケースが大半です。欧州ユースの激しい生存競争がプラスに働く例がある一方で、実戦機会の不足や文化適応のストレスからコンディションを崩すケースも少なくありません。
対照的に、国内のプレミアリーグ(高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ)は世界的に見ても極めて強度の高い育成リーグとして定評があり、週末ごとにトッププロ予備軍同士が凌ぎを削っています。指揮官が「海外組だから無条件で招集するわけではない。いま所属クラブでコンスタントに90分を戦い抜き、チームを勝たせているかどうかを見る」と断言するように、看板の派手さではなく「育成の実効性」こそが公平な選考基準となっているのです。