ネット上の情報やSNSの写真だけを流し見していると、「どうせ最近流行りの、煮干しが強烈に効いたマニア向けのドロドロ系だろう」という誤解を抱く人が少なくありません。いわゆる「セメント系」と呼ばれる灰色の高粘度煮干しスープを想起して敬遠している読者がいるとすれば、それは決定的な事実誤認です。
「中華そば鶴亀」が体現しているのは、昭和ノスタルジーの東京醤油ラーメンをベースに、令和の最新抽出技術を注ぎ込んだ「清湯(チンタン)の極み」です。スープの透明度は高く、醤油の琥珀色の中に黄金色の鶏油が美しく輝いています。エグみや苦味の原因となる煮干しのハラワタは毎朝丁寧に手作業で選別・除去されており、魚介特有の臭みは皆無です。そのため、子どもから高齢者まで無理なく飲み干せる懐の深さがあります。
もう一つの盲点は、「食券の購入タイミング」に関するローカルルールです。多くの行列店で代表待ち(1人が並んで後から連れが合流する行為)が厳禁とされているのと同様、鶴亀でも「全員が揃ってから最後尾に接続し、スタッフの案内があってから店内の券売機で食券を購入する」というシステムが徹底されています。先に食券を買おうとして店内に入ると列のトラブルに繋がるため、事前の知識として押さえておく必要があります。