求職者が最も直面する現実の壁が給与体系です。「空港グランドスタッフ年収」の実態は、世間一般に抱かれている航空業界=高給取りというイメージとは大きく隔たっています。
多くのスタッフは、JALやANAの本体直雇用ではなく、グループ傘下のハンドリング子会社(JALスカイ、ANAエアポートサービスなど)に所属しています。基本給の設定は全産業平均と比較しても決して高いとは言えず、月給にして手取り18万〜23万円程度、初年度の年収は賞与を含めても280万〜330万円前後に留まるケースが一般的です。役職が上がっても30代前半のチーフクラスで年収400万〜450万円前後にとどまることが多く、日々の責任の重さに対して待遇が見合っていないという不満の温床になっています。
それに輪をかけて生活を縛るのが、「グランドスタッフシフト勤務実態」の厳しさです。航空便は早朝から深夜まで休むことなく運航されるため、勤務体系は「早朝4時出勤」「午後14時出勤」「日付を跨ぐ深夜勤務」が4日サイクル等で入り乱れる変形労働時間制が敷かれています。
早朝出勤のために午前3時半に起床し、終業後は疲労困憊で泥のように眠る。翌日は午後出勤で深夜帰宅になるなど、体内時計は常に狂い続けます。友人との予定が合わせにくく、空港周辺の狭い人間関係に閉じこもりやすい環境も、離職を後押しする隠れた要因です。