私たちが普段「牛乳」とひとくくりにして呼んでいる飲料は、厚生労働省が定める「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」および「飲用乳の表示に関する公正競争規約」によって、明確に6つの種類別名称に分類されています。その中でも購入時に混同しやすいのが低脂肪牛乳と乳飲料と加工乳の違いです。
最大の境界線は、原材料に「生乳(牛から搾ったままの乳)」以外の原料を加えてよいかどうか、という点にあります。
まず「生乳100パーセント公正競争規約」の定めにより、原材料が生乳のみでなければ商品名に単独で「牛乳」という表記を用いることはできません。この枠組みの中で、乳脂肪分だけを遠心分離によって0.5%以上1.5%以下に減らしたものが「低脂肪牛乳」です。水分を蒸発させたり余分なものを加えたりせず、乳脂肪だけを適度に抜いた生乳100%の製品を指します。
一方、「加工乳」は生乳や牛乳に、脱脂粉乳、バター、クリームといった「乳製品のみ」を加えて成分を調整したものです。乳脂肪分を濃くして濃厚なコクを出した「特濃タイプ」や、脱脂粉乳を加えてたんぱく質を維持しつつ低脂肪に仕上げた「低脂肪タイプ」が存在します。
そして最も規定の幅が広いのが「乳飲料」です。乳等省令の種類別名称基準において、乳飲料は「乳固形分(無脂乳固形分と乳脂肪分を合わせたもの)が3.0%以上」含まれていれば製造が認められます。生乳や乳製品だけでなく、ビタミン、鉄分、カルシウムといった栄養素はもちろん、コーヒー、果汁、さらには植物油脂や乳化剤といった乳製品以外の原材料を自由にブレンドできるのが特徴です。