Q1:八王子の事件で使われたフッ化水素酸は、なぜそんなに早く命を奪ったのですか?
A1:フッ化水素酸は極めて高い細胞浸透性を持っており、口腔粘膜から急速に血管内へ浸入しました。血液中のカルシウムと結合して急激な「低カルシウム血症」を引き起こし、心臓の心筋伝導系を破壊して急性心停止に至らしめたためです。
Q2:現代の歯医者で行われる「フッ素塗布」で同じような事故が起きる可能性はありますか?
A2:現代の歯科医療において同様の事故が起きる可能性は限りなくゼロに等しいと言えます。現在使用されているのは薬事認可を受けたフッ化ナトリウム製剤等であり、工業用フッ化水素酸が一般歯科の診察台周りに置かれることは管理基準上あり得ないためです。
Q3:市販のフッ素入り歯磨き粉を使っても子どもの健康に害はありませんか?
A3:日常的な使用において害はありません。日本で市販されている歯磨剤のフッ素濃度は薬機法で上限(1,500ppm、小児用は100〜500ppm程度)が厳格に定められており、適正量を歯ブラシに取って使用する限り、急性中毒や電解質異常を引き起こす危険性はありません。
Q4:八王子の事故を起こした歯科医師は現在どうしているのですか?
A4:事故直後に診療所は閉鎖され、歯科医師は有罪判決を受けました。事件から40年以上が経過しており、当時の関係者はすでに歯科医療の第一線から完全に退いています。