ビジネスシーンにおいて、この使い分けは時に死活問題となります。例えば、顧客の預かりデータを消失させてしまったとき、あなたならどう報告するでしょうか。「システムエラーでデータが消えました(自動詞)」と伝えるのと、「オペレーションミスでデータを消しました(他動詞)」と伝えるのでは、相手に与える印象は天と地ほど違います。
自動詞を使うと、まるで天災か何かの不可抗力によって「自然にそうなった」かのようなニュアンスが漂います。責任を曖昧にしたいという心理が、無意識に自動詞を選ばせるのです。しかし、受け手はそこに敏感な「逃げ」を感じ取ります。あえて他動詞を使い、主体的非を認めることが、信頼回復への最短ルートになる局面は少なくありません。