アラジン(Aladdin)は、名古屋商科大学のフォークソング同好会に所属していた学生たちによって結成されました。当初は正統派のフォークやポップスを志向していましたが、コンテストの場でオーディエンスの心を一瞬で掴むために生み出されたのが、後に彼らの運命を決定づける『完全無欠のロックンローラー』でした。
当時の音楽関係者の回顧録によると、楽曲が披露された瞬間、審査会場の空気は一変したといいます。1981年10月に開催された「第22回ヤマハポピュラーソングコンテスト(通称ポプコン)」つま恋本選会において、アラジンは見事グランプリを獲得。さらにそのわずか1か月後、日本武道館で開催された「第12回世界歌謡祭」でもグランプリを受賞するという、当時の新人バンドとしては前代未聞の快挙を成し遂げました。
ポプコンといえば、中島みゆき、世良公則&ツイスト、クリスタルキングなど、本格派の実力派ミュージシャンを数多く輩出してきた登竜門です。その厳格な審査基準の中で、笑いを取り入れつつも演奏力とリズムの完成度で圧倒したアラジンの存在は、審査員の間でも激しい議論を呼ぶと同時に絶大な支持を集めました。公式メジャーデビューシングルとして同年11月にリリースされるや否や、瞬く間にオリコンチャートの上位へ駆け上がり、レコード売上は60万枚を超える社会現象となったのです。