ローゼルを放任栽培すると、主枝が1本だけ天に向かって伸びる「一本立ち」になりやすく、草丈ばかりが高くなって花数が伸び悩みます。ここでプロや熟練農家が必ず実践しているテクニックが「摘芯(ピンチ)」です。
ローゼル摘芯のコツは、主枝の草丈が30〜40cm(本葉6〜8枚程度)に達した段階で、主茎の成長点(最上部の芽)を清潔なハサミで切り落とすことです。この処理を行うことで頂芽優勢が打破され、葉の付け根から元気な側枝が4〜6本勢いよく伸び出します。さらに側枝が伸びてきた段階で再度先端を摘芯すれば、枝数はネズミ算式に増加。結果として着花数が格段に増え、1株からの収穫数が無摘芯時の約3倍に跳ね上がります。
また、夏場の急激な茂りすぎを防ぐローゼル切り戻し剪定方法も重要です。梅雨明け以降、風通しが悪くなると蒸れから下葉が黄変したり病気が発生しやすくなります。混み合った内向きの枝や地面に近い下葉を適宜間引き、株元に光と風を通すことで、台風時の倒伏リスクも大幅に低減できます。
害虫管理においては、初夏の若芽に付くアブラムシや、葉を食害・巻いてしまうハマキムシ、フタトガリコヤガの幼虫が主な標的です。ローゼル害虫対策としては、食用ハーブである特性を考慮し、できる限り初期のテデトール(捕殺)やニームオイル、粘着くん(デンプン由来製剤)などの有機適合資材を活用して早期防除に努めましょう。