ネット上のコミュニティやSNSを調査すると、手の甲や指の毛に関する生々しい葛藤が数多く見受けられます。「レジでお釣りを受け渡すとき、店員さんの指毛に思わず目がいってしまった」「スマートフォンの画面を人に見せる際、毛穴の黒ずみが気になって指を隠した」といった体験談は後を絶ちません。
特にオフィスワークにおけるパソコン操作や名刺交換など、手元にフォーカスが当たる場面では、手の甲の毛に対する男性の印象、あるいは女性に対する周囲の視線は想像以上にシビアです。社会心理学で指摘される「先端効果」のとおり、指先や毛先、靴先といった身体の先端部分は無意識のうちに相手の観察対象になりやすく、その手入れ具合が全体の清潔感や自己管理能力の印象へと直結します。
しかし、焦りから誤ったセルフケアに走ると、手痛いしっぺ返しを食らうことになります。大手知恵袋や美容系口コミサイトで特に報告が目立つのが、除毛クリームによるトラブルです。
「即効性を求めて市販の除毛クリームを手の甲に塗ったところ、数分で強い灼熱感と痒みに襲われ、真っ赤に腫れ上がった」という手記が散見されます。除毛クリームの主成分であるチオグリコール酸カルシウムは、毛のタンパク質をアルカリで溶かす強力な薬剤です。手の甲は皮脂腺が少なく皮膚が薄いため、手の甲の除毛クリームによる肌荒れや接触皮膚炎を発症するリスクが極めて高いのです。また、毛抜きで強引に引き抜いた結果、毛穴が炎症を起こして毛嚢炎になったり、毛が皮膚の下に埋もれる埋没毛を引き起こしたりして、かえって肌を汚してしまう失敗パターンも多発しています。