数々の構造的欠陥を抱えながらも、競輪界がただ手をこまねいて衰退を待っているわけではありません。競輪の今後の展望(2026年以降)を見据えたポジティブな構造改革も着実に胎動しています。
第一に、競技ルールの国際化とグローバル展開です。UCI(国際自転車競技連合)基準に合わせたケイリン種目でのオリンピックメダル獲得に向け、日本競輪選手養成所のトレーニング環境は科学的アプローチへと劇的に刷新されました。世界水準のスピードを持つ若手ナショナルチーム所属選手が国内のグレードレース(GI・GII)に参戦することで、単なるギャンブルから「世界最高峰のトラック自転車スポーツ」としての再評価が進んでいます。
第二に、競輪場施設のコンパクト化と多目的複合施設(スマートベロドローム)への再開発です。かつてのように数万人を収容する巨大スタンドを維持するのではなく、客席を数千席規模に絞り込み、余剰敷地を公園、温浴施設、商業スペースとして地域住民に開放する取り組みが始まっています。車券を買わない地域住民にも日常的な憩いの場として還元することで、自治体が競輪場を保有する大義名分を再構築しようとしています。
デジタル空間で得た莫大な収益を、旧態依然とした組織維持ではなく、選手への適正な還元、トレーニング環境の向上、そして本場スタジアムの次世代化へ再配分できるか否か。2026年は、競輪が「画面の中だけで完結する消耗品」に成り下がるか、「文化として持続する次世代スポーツ」へ進化できるかの重大な岐路となっています。