ベテランの域に入った現在、角界関係者や熱心な好角家の間で最大の関心事となっているのが、現役引退後の「年寄名跡(親方株)」の取得状況と指導者としての未来です。
大相撲において、引退後に日本相撲協会に残って後進の指導にあたるためには、105ある年寄株のいずれかを襲名する必要があります。遠藤は追手風部屋の筆頭格として師匠(元幕内・大翔山)からの信頼も厚く、すでに将来的な年寄株の確保に向けた地盤を固めていると目されています。
【プロの結論】アスリートの引き際と相撲道における精神的自立
相撲界における「引き際」の判断は、力士の美学が最も色濃く反映される瞬間です。往年の大横綱のように頂点で潔く去る美学もあれば、満身創痍になりながら番付の限界まで土俵にしがみつく泥臭い美学もあります。
現代のスポーツ心理学および相撲文化の観点から遠藤のキャリアを分析すると、彼は「世間が求めた偶像(アイドル)」から「自己の相撲道を追求する表現者」へと完全に脱皮したと言えます。ざんばら髪で土俵を沸かせた若き日の華やかさに執着せず、ボロボロになった膝と対話しながら一枚でも上の番付を目指す現在の姿こそ、真のプロフェッショナルと呼ぶにふさわしいものです。
大相撲を観戦する際、勝敗の数字だけを追うライト層には見えない「仕切りでの膝の確かめ方」「右手の使い方の緻密さ」に注目することで、相撲という伝統文化の奥深さをより深く味わうことができるでしょう。