国家機関である国土地理院と、行政主体である東京都では、それぞれ法令や規定に基づいて庁所在地の位置づけを明確に定めています。
国土地理院が発行する日本の公式地図や地名データでは、都道府県庁所在地の表記基準として「地方自治法に定める市町村の名称」を原則としています。しかし東京都に関しては、前述の通り23区全体を包括する慣用的な名称として「東京」を採用しています。国土地理院の公式解説でも、「東京都の都庁所在地は『東京』と表記する」と明記されており、これが教育現場や地図帳のデファクトスタンダードとなっています。
対照的に、東京都自身の法的根拠となるのは地方自治法第4条第1項です。同条文には「地方公共団体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするときは、条例でこれを定めなければならない」とあり、これに基づいて制定された「東京都位置条例」には以下のように規定されています。
「東京都の事務所の位置は、新宿区西新宿二丁目とする。」(東京都位置条例 第1条)
つまり、法律上・条例上の「都庁という建物の所在地」を問われた場合は「新宿区」が法的に完全な正解となります。このように、地図・統計の国際・全国規格と、個別の地方行政法規がそれぞれの目的のために正しい定義を行っている状態です。