舞洲サンセットパークの伝説!Theピーズが刻んだ奇跡と現在

舞洲サンセットパークの伝説!Theピーズが刻んだ奇跡と現在

舞洲サンセットパークの伝説!Theピーズが刻んだ奇跡と現在にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

舞洲サンセットパークという場所には、独特の魔力が宿っています。大阪市此花区の人工島・舞洲の西端に位置し、遮るもののない大阪湾の水平線へ夕陽が沈んでいく借景は、関西の野外ライブシーンでも屈指の景観美を誇ります。この地で数々の名勝負を生んできたのが、関西の老舗イベンター・清水音泉が手掛ける名物ロックフェス「OTODAMA 音泉魂」でした。

その歴史の中で、ひときわ深い爪痕を残したのがTheピーズです。派手な照明演出も、計算されたステージアクションも彼らにはありません。Tシャツにジーンズ姿の3人が楽器をアンプに直結し、ただ無骨に音を鳴らす。しかし、ステージの背後に広がる太陽がゆっくりと沈みかけ、海からの湿った風が吹き込む夕暮れ時――通称「サンセットタイム」に彼らが放った音塊は、会場の空気を一変させました。

大木温之(Vo, B)が絞り出す、弱さも情けなさも丸ごと抱え込んだしゃがれ声。安孫子義一(Gt)の荒々しくも叙情的なギタートーン、そして佐藤シンイチロウ(Dr)が刻む揺るぎないビート。空の色が刻一刻と変化するわずか40分ほどの時間の中で、日々の生活に疲弊した観客たちが抱える孤独や悔恨を、彼らの鳴らす爆音がすべて引き受け、肯定していったのです。終演後、会場のあちこちで涙をぬぐいながら立ち尽くすファンの姿が目撃された光景は、今なお「舞洲サンセットパークの伝説ライブ」として語り草になっています。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。