県内の競技力向上を語る上で避けて通れないのが、茨城国体ソフトテニス選考基準の経緯です。2019年の「いきいき茨城ゆめ国体」開催に向けて、茨城県は巨額の強化予算を投じ、専任コーチの招聘や全国トップレベルの有望中学生・高校生の囲い込みを積極的に推進しました。その結果、地元開催国体において少年少女の男女団体で歴史的な好成績を収めることに成功しました。
しかし、国体終了後に残されたのは「強化指定基準の再編」と「選考プロセスの公平性」を巡る課題でした。国体直前の数年間は、特定強化校の選手を中心とした固定メンバーによる代表選抜が行われ、地方予選で好成績を収めた一般校の選手が選考会にすら呼ばれないという不満が一部で噴出しました。茨城県ソフトテニス連盟ニュース等の公報資料を追うと、これらの教訓を受け、2020年代以降は明確な数値基準に基づくポイントランキング制へと舵が切られた経緯が確認できます。
現在の茨城県ソフトテニス連盟ランキングは、県選手権、関東予選、インハイ予選などの主要大会における勝ち上がり実績に応じてポイントが付与される厳格なシステムを採用しています。これにより、選考の密室性は大幅に解消されました。しかし、このランキングシステムにも盲点が存在します。
それはペア固定制の歪みです。ソフトテニスはダブルス競技であるため、個人ポイントの合算値によってシード順位や代表選考の基礎データが決定されます。もしシーズン途中でペアの一方が怪我やコンディション不良で離脱した場合、もう一方の実力者が十分なポイントを獲得できず、主要大会でノーシードに沈むリスクを孕んでいます。この制度的リスクに対し、連盟技術委員会では「個人成績評価の導入」や「特例シード枠の弾力運用」に関する議論が続けられています。