柴田恭兵に関する病気の噂の発端は、2006年7月に公式発表された「初期の肺がん」にあります。当時54歳だった柴田は、ドラマや映画の撮影で多忙を極める最中、定期的に受けていた人間ドックのCT検査で肺に影が見つかりました。
幸いにも極めて初期の段階(ステージIA)で発見されたため、直ちに都内の病院へ入院し、左肺上葉部を切除する外科手術が行われました。当時、所属事務所や報道各社を通じて「早期発見であったため、手術は無事に成功した」と発表され、多くのファンや関係者が安堵の胸をなでおろしました。
しかし、肺の一部を切除することは、呼吸器系に大きな負荷をかけるだけでなく、体力を極限まで奪います。特に常に俊敏な動きと通る声を求められる俳優業にとって、肺活量の低下は致命傷になりかねません。病室での絶対安静から始まったリハビリは、まさに自分自身の身体機能を取り戻すための孤独で過酷な闘いでした。
医師の指導のもと、術後すぐから深呼吸の訓練や歩行トレーニングを開始。驚くべきことに、柴田は手術からわずか5か月後の2006年12月、NHK土曜ドラマ『ハゲタカ』の撮影で見事な現場復帰を果たしました。現場スタッフからは「ブランクを感じさせない研ぎ澄まされた演技だった」と驚嘆の声が上がったと報じられています。