硫安の真価が際立つ代表例が、冬越し栽培を行う玉ねぎの「止め肥(とめごえ)」です。玉ねぎは春以降に球が肥大しますが、遅い時期まで土中に窒素が残っていると、葉ばかりが生い茂る「つるボケ」を起こしたり、収穫後の球が腐りやすくなって貯蔵性が著しく低下します。
そこで活躍するのが、2月下旬から3月上旬に行う硫安の追肥です。分解を待たずに素早く吸収されて短期間で肥効が切れるため、球の肥大に必要な初期エネルギーを一気に与えつつ、収穫期には土中の窒素を綺麗に枯渇させることができます。1平方メートルあたり15g程度を均一に条間へ散布し、土に馴染ませることで大玉で日持ちの良い玉ねぎに仕上がります。
キャベツ、ハクサイ、ホウレンソウ、小松菜といった葉物野菜においても、収穫の2〜3週間前に葉色が褪せて黄色味を帯びてきた際のリカバー資材として絶大な威力を誇ります。追肥後わずか数日で葉先まで鮮やかな濃緑色へと変化し、瑞々しい肉厚の葉を収穫することが可能です。