二世タレントが脚光を浴びやすい昨今において、杉咲花はデビュー当初、親の存在を大々的にアピールすることはなかった。彼女が選んだのは、実力でオーディションを勝ち抜き、現場で評価を獲得していく泥臭い道だ。
映画監督やプロデューサーたちが彼女を起用した理由は、誰かの娘だからではない。カメラの前に立ったときに解き放たれる、狂気すら孕んだリアリティと純粋さゆえだ。父・木暮武彦がかつて既存の歌謡曲シーンに対するカウンターとしてロックを鳴らしたように、彼女もまた「親の威光」という既成概念を自らの演技力だけで破って見せた。