現代の感覚で「9月」というと、近年の気候変動も相まってまだまだ厳しい残暑が続く時期をイメージする方が多いでしょう。しかし、旧暦における長月と私たちが現在暮らす新暦の9月には、約1か月〜1か月半ほどの季節のズレが存在します。
旧暦(太陰太陽暦)は月の満ち欠けを基準にしており、旧暦9月はおおむね現在の「10月上旬から11月上旬頃」に該当します。つまり、古人が感じていた長月とは、単なる初秋ではなく、朝夕の冷え込みが厳しくなり、木々が色づき始める本格的な「晩秋」だったのです。
このズレを意識すると、「夜が長くなった」「秋の夜長」という言葉の実感が現代の9月初旬よりも10月頃の肌感覚に合致する理由がすっきりと腑に落ちます。
また、新暦9月には昼と夜の長さがほぼ等しくなる「秋分の日(9月22日〜23日頃)」を中日とした「秋のお彼岸」が訪れます。「暑さ寒さも彼岸まで」の慣用句通り、厳しい残暑が和らぎ、名実ともに長月の風情へと移り変わる大切な節目となっています。