神社の鳥居の役割と正しい作法|赤色の理由や種類・歴史を徹底解説

神社の鳥居の役割と正しい作法|赤色の理由や種類・歴史を徹底解説

神社の鳥居の役割と正しい作法|赤色の理由や種類・歴史を徹底解説に関する専門家の意見を分かりやすく解説いたします。

鳥居といえば鮮やかな朱色を連想する人が多い一方、木肌そのままの白木や石造りの灰色、さらには黒色の鳥居も存在します。この色彩の違いには、原材料の特性や祀られている神仏の歴史的背景が深く関係しています。

鳥居の色主な材質・塗料象徴する意味・歴史的背景代表的な神社赤(朱色)水銀朱(辰砂)、丹、ベンガラ魔除け・生命力、木材の防腐・防虫効果、神仏習合や稲荷信仰伏見稲荷大社、厳島神社、平安神宮白木(木色)ヒノキ、スギ等の素木純粋無垢、神道本来の清浄観、古代の建築様式の継承伊勢神宮、熱田神宮黒(黒木)樹皮付きのクヌギ材等原始的な原初の鳥居様式、自然崇拝の色彩の保持野宮神社(京都嵯峨野)白・灰色(石造)御影石(花崗岩)、コンクリート耐久性・防火性の重視、近世以降の寄進文化の広がり出雲大社(宇迦橋大鳥居など)、全国各地の鎮守神社

朱色の鳥居が広まった最大の理由は、原材料である水銀朱(辰砂)が持つ優れた防腐・防虫性能にあります。木造構造物を風雨から守る実用的な知恵であり、古来より「赤=火や太陽、血液の象徴=魔除けの色」と捉えられてきた呪術的観念と結びつきました。

さらに、奈良時代から明治初期まで続いた神仏習合の影響により、寺院の朱塗り建築の美意識が神社建築にも広く浸透しました。特に全国に約3万社あるとされる稲荷神社では、五穀豊穣と生命の躍動を意味する色として朱塗りの鳥居が奉納され、親しまれています。

一方、伊勢神宮に代表される神社が素木(白木)にこだわるのは、「飾らない自然のままの姿こそが最も清らかである」という神道古来の潔斎思想を守り続けているためです。京都・嵯峨野の野宮神社に見られる「黒木鳥居」は、樹皮を剥がずにそのまま組み上げた日本最古の形状を残す貴重な実例です。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。