居酒屋の定番として親しまれるぼんじりが、なぜここまで「健康に悪い食べ物」として警戒されているのでしょうか。食品分析データや利用者の体感から浮き彫りになった決定的な理由は、主に次の4点に集約されます。
第1の理由は、鶏肉の概念を覆す圧倒的な高脂質と高カロリーです。ぼんじりは鶏が尾羽を動かすための筋肉と脂肪組織で構成されており、全体の約4割以上が脂質で占められています。焼き鳥串1本(約30〜40g)あたりのエネルギーは約120〜160kcalに達し、これはご飯小盛り1杯分やショートケーキの半分に匹敵する数値です。「鶏肉=ヘルシー」と油断して4〜5本平らげてしまえば、それだけで成人の1食分の脂質摂取基準を軽々とオーバーしてしまいます。
第2の理由は、悪玉(LDL)コレステロールと中性脂肪への直接的な影響です。ぼんじりに含まれる脂質には、飽和脂肪酸が多く含まれています。飽和脂肪酸を日常的に過剰摂取すると、肝臓でのコレステロール処理能力が追いつかず、血中の悪玉コレステロール値や中性脂肪が急上昇します。これが長期間にわたって続けば、血管壁にプラークが沈着し、動脈硬化や心疾患、脳卒中といった重大な生活習慣病の引き金を引くことになります。
第3に挙げられるのが、「痛風」を引き起こす尿酸値への懸念です。居酒屋メニューの中で「痛風の敵」といえばレバーや魚卵が連想されますが、ぼんじりも高リスク部位として槍玉に挙げられます。肉類である以上プリン体を含んでいることに加え、ビールなどのアルコールと一緒に大量摂取されるケースが多いため、アルコールの尿酸排泄阻害作用と相まって痛風発作のリスクを高める要因とみなされています。
第4の理由は、胃腸への急激な物理的負担による重度の胃もたれや下痢です。脂質は三大栄養素の中で最も消化に時間がかかり、胃内に4〜5時間以上滞留します。胃腸の消化酵素の分泌が追いつかない場合、胃もたれや胸やけ、あるいは未消化の脂質が腸を刺激して下痢を引き起こします。深夜の飲み会でぼんじりを食べ過ぎた翌朝に起きる強烈な倦怠感や胃の不快感こそが、「ぼんじりは体に毒だ」というネガティブな体感を強固にしているのです。