マイボーム腺を自分で押し出すのは危険?眼科医が警告する真相とケア法

マイボーム腺を自分で押し出すのは危険?眼科医が警告する真相とケア法

マイボーム腺を自分で押し出すのは危険?眼科医が警告する真相とケア法の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

「目がしょぼしょぼする」「目薬をいくら差しても乾きが収まらない」という不快感の背後には、マイボーム腺機能不全(MGD: Meibomian Gland Dysfunction)が隠れています。近年のドライアイ研究では、受診患者の約8割が涙の水分量不足ではなく、油層の異常による「蒸発亢進型ドライアイ」であることが判明しています。

正常な涙は、角膜に触れる粘液層、中央の水分層、そして最表面を覆うわずか0.1マイクロメートルの油層という3層構造で成り立っています。マイボーム腺から分泌される脂質は、この油層を形成して涙の蒸発を防ぐ「天然のバリア」です。ところが、脂質の融点が体温より高くなってバターのように固まる、あるいは開口部が角化して塞がると、涙液は一瞬で蒸発し、角膜が剥き出しになってしまいます。

MGDを誘発する最大の要因は、現代人のライフスタイルそのものです。画面を凝視することでまばたきの回数が通常の3分の1に激減し、まぶたのポンプ機能が低下します。さらに、まつ毛の内側まで塗り込むインラインメイクやアイラッシュサロンでの過度な施術、加齢によるホルモンバランスの乱れが脂質の変性を加速させています。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。